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テングザルの鼻は大きい猿!ボルネオ島固有の哺乳類

マレーシアのボルネオ島に生息するテングザルを紹介。なぜ鼻やお腹が大きいのでしょうか?その謎に迫ります...

テングザルの鼻は大きい猿!ボルネオ島固有の哺乳類

テングザルって?

天狗の鼻を持つおかしなサル

テングザルとは「天狗鼻のサル」という意味からきています。大人のオスの鼻が特に長く大きいので、このような名前が付けられました。


ボルネオ島だけに生息する固有種です

テングザルは、世界でもボルネオだけに住む固有種です。大きな川の下流域やマングローブの一部に住み、マングローブとニッパ林、低湿地林が混ざる場所や川岸の林などで見ることができます。しかし、純粋なマングローブや熱帯雨林では見ることができません。マングローブは食べ物が単純すぎるし、熱帯雨林は他のサルとの競争が厳しいからかもしれません。


テングザルの特徴

白いパンツをはいたサル?

テングザルは、オスとメスで大きさがかなり違います。オスの体重は20kgに達しますが、メスは10kgしかありません。よく見かけるカニクイザルが5~7kgなので、かなり大きなサルと言えます。全体に赤っぽいサルですが、お尻としっぽは灰色を帯びた白色で、遠くから見ると白いパンツをはいたように見えます。肩にはクリーム色の襟巻きのような模様があり、大人のオスの場合は特に目立ちます。


赤ちゃんは真っ黒

テングザルの赤ちゃん
テングザルの赤ちゃんです

新生児は顔も体も真っ黒ですが、2週間を過ぎると少しずつ変化し、2年ぐらい経つと体は大人と変わらない色になります。ただし、顔だけは青黒いままです。1年を過ぎると、顔も大人と同じ色に変化します。そんな理由から、正確に年齢が分かるのは2才までです。

その後は、体の大きさで判断するしか方法はなく、寿命もよく分かっていませんが、20~30年近く生きるのではないでしょうか?


オスとメスの見比べ方

テングザルは、非常に長い腸を持っているので大きなお腹をしています。オスとメスの区別は難しくありません。オスは小さい頃からペニスが見えますし、メスは乳首を確認するといいです。足などでペニスが見えない場合でも、乳首がなければオスと判断して間違いありません。


テングザルの習性

泳ぎも得意なテングザル
ボルネオ島の川を泳いで渡ります。川へは木の上から豪快に飛び込みます!

群れを作って生活しています

テングザルは、通常15~40頭くらいの群れで生活しています。大きな群れは2~3頭の大人のオスを中心に、大人のメス、子供たちと行った構成です。また、若いオスだけの群れもあります。日の出から日没まで行動しますが、朝6~10時、午後3~5時の間が最も活発に活動しています。この間に食事と休息をくり返しています。もっとも、子供たちは木に登ったりジャンプしたりして、一日中遊び回っています。こういう遊びの中で木登りを覚えたり、仲間意識を強めて行くのでしょう。


何と川を泳いで渡ります

ほとんど木の上で生活する樹上生活のサルですが、川は普通に泳ぐし、離れた森まで地上を歩きます。夕方5時をまわると、その場で近くにある大きな木をねぐらにします。寝場所は川沿いの高い木のこずえ、群れは1~数本の木に分散して眠ります。遠くから眺めると、柿の実がたわわに実っているように見えます。日中は川から離れる傾向にありますが、これは本来の習性なのか人を恐れてなのかは分かりません。


一生をマングローブで生活する

マングローブや川沿いの森林で一生を送るのはテングザルだけです。バナナリス、シルバーリーフモンキー、カニクイザルも見かけますが、それは一部に過ぎず、彼らの生活は他の場所にあります。これは、マングローブには食べ物となる植物がほとんどなく、毒を含んだものが多いからでしょう。


大きな鼻の謎に迫る...

スノーケルの役目を果たすのか?

テングザルの大きな鼻
大人のオスにだけ見られる大きな鼻

大人のメスと子供の鼻は、上へと反り返ってとんがっています。大人のオスでは鼻は大きく膨らみ、口元を隠すように垂れ下がっています。この特別に大きな鼻は一体何のためなのでしょうか?本で調べてみると、泳ぐ際にスネーケルの働きをすると書いてありました。しかし、テングザルの泳ぎを見ていると疑問がわきます。それは、普段泳いでいる時は首を出したままの「犬かき」だからです。

危険を感じた時は潜ったまま川を横切ります。いずれの場合も鼻が大きいから有利に働くとは考えにくいですし、もし有利に働くとしても、なぜ大人のオスにだけそんな大きな鼻が必要があるのか、おかしな話です。


大人のオスだけ鼻がデカイ!

大人のオスは、しょっちゅう大声を出しています。危険が近づいた時や、子供が騒がしいとき、危険が去った後のみんながざわめいている時などです。「ンガガッ」と叫んだり、「ンゴー」と叫んだりします。他にもいくつかの声を使っているようです。大きな鼻は音を響かせるために役立つ、ラッパのような働きをしているのではないでしょうか。


進化の謎に迫る...

テングザルの鼻は大きい猿!ボルネオ島固有の哺乳類
一生を木の上で生活するテングザル。一体なぜでしょうか?

地上性か樹上性かを見極める目安は?

あるサルが地上性か樹上性かを見極める目安として、手と足の長さの比率を見る方法があります。手が十分に長ければ樹上生活者で、オランウータンやテナガザルはその典型です。一方でブタオザルやニホンザルは基本的に地上性です。ではテングザルはどうでしょうか?実はテングザルの手はそれほど長くはありません。つまり地上生活者ということになりますが、生活は完全な樹上性です。これは何を意味しているのでしょうか?


生存競争に敗れた結果...

テングザルの祖先は地上生活者であったのですが、他種との競争に敗れ、他のサルが生活できないようなマングローブに追いやられたというのが定説です。マングローブは、水に覆われた所か沼地に形成されます。そのため、テングザルは結果として樹上生活者になり、泳ぎも生活の一部になったというわけです。


テングザルのお腹はなぜ大きいのか?

腸が特別に長くなったのは、有毒植物を消化によって無毒化しなければならないという、生きる手段だったからではないでしょうか。テングザルの泳ぎを見ていると、カワウソのように水に適応して動物ではないので、自由に泳ぎ回るというわけにはいきません。

村人に簡単に捕まるのは泳いでいる時でしょうし、かつてはワニの餌食にもなっていたようです。現在、テングザルの脅威となるウンピョウやワニは、川岸の林やマングローブからほとんど姿を消しています。大きな敵のいないテングザルにとって、死亡原因の1位は転落死のようです。


ラブックベイ テングザル保護区

ラブックベイテングザルサンクチュアリー
餌付けや飼育が不可能と言われたテングザル。最初は農作業員の遊び心から始まったのでした

世界初!餌付けに成功した☆

2002年の初め、サンダカンから50kmぐらい行った場所に「ラブックベイ テングザル保護区」が完成し、誰もが気軽にテングザルを観察できるようになりました。テングザルは餌付けも飼育も不可能だと言われてきたサルで、おそらく食べ物が特殊だからでしょう。飼育も難しく、たいていは2週間から2ヶ月で死なせてしまうようです。だから、5年もかかったといっても、餌付けの成功には非常に注目が集まりました。


最初は遊び心から始まった

テングザルの餌付けは、農園の作業員の遊び心から始まりました。最初は全く近寄らなかったサルたちが、年月を重ねるうちに、人がいなくなると食べに来るようになったのです。それから5年、鍋をたたく音で来るまでになったそうです。メニューはホットケーキ。食べ終わったら、またマングローブへと帰って行きます。


それまでは見るのに苦労した

それまでは、スカウ村辺りでボートを使って垣間みるだけでしたが、ここではわすか10mの距離から観察することができます。セピロックのオランウータンセンターにも近く、今では多くの旅行客が訪れる観光地になっています。


テングザルに会いに行こう!

テングザルのツアー
コタキナバルから「テングザルを見に行くツアー」もあります。ぜひ参加してみてください。

テングザルが生息するガラマ川とキリアス川のリバーサファリは、マングローブが生い茂る大自然の中にあります。テングザルはボルネオ島にしか生存していない貴重な固有種です。日本ではズーラシア動物園で見ることができます。また、夕暮れには川に濃い緑と夕日が映り、幻想的な雰囲気になります。日が暮れると、日本では決して見られない「ホタルの光」も観賞できます。


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更新:2015年10月06日|公開:2009年09月15日|カテゴリ:動物

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