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先史時代 @ ボルネオ島サバ州

現在の住民の直接の祖先は、4,5千年前からインドシナ半島の住民が移動してきて定着した人たちである。

歴史の詳細

サバ州には、数万年前からの石器時代から人が住んでいた形跡はあるが、現在の住民の直接の祖先は、4、5千年前からインドシナ半島の住民が移動してきて定着した人たちである。彼らは元々は漁業を生業とする漂海民だったと思われ、海岸や河口の岸辺に、いつでも漁に出られて満潮の時にも沈まない高さまで床を高くした、いわゆる高床式住宅に住み、そこから川を伝って徐々に内陸に進出していった。当時の鬱蒼たる熱帯雨林は、野獣、蛇、蠍、毒虫などの危険に満ちていて、簡単には入れなかったのだが、森に入らなくても、豊かな海の幸と、粗放な芋栽培で十分に食料が確保できた。それでも、人口が増えてきて集落が分割していくにつれて、少しずつ森の中にも入っていったと思われる。

それから住民は相変わらず海や河口で漁業に従事するグループ、内陸の斜面で焼畑農耕に従事する者、森の中を移動して野獣や鳥の狩猟に従事するグループなどに分かれ、それらが、現在の各民族の祖先になった。現在の各民族の言語は、ほとんどマラヨ・ポリネシア語族に属するが、内陸部に移動した集団はプロト・マレー(原マレー)族と呼ばれ、彼らの遠い先祖である中国南部やインドシナ半島北部の先住民と同じくモンゴロイドの形質を残しているのに対し、漁業に従事して移動性の高いデュートロ・マレー(新マレー)族は、インドやカンボジア人の祖先であるモン・クメール族などとの混血が進んだ結果、浅黒くて顔の彫りが深く、肩幅が狭くて手が長い、現在のフィリピン人やインドネシア人と共通する、一般にマレー族の特徴とされる形質をしている。

これら各民族は、生活圏も生業も違い、各民族で独立した社会を形成していたが、それぞれの社会で食料は豊富で移動も簡単という事情から、強力な支配層という階層は生み出されず、その必要も必然性もなかったために、国家を形成するには至らなかった。ただ、海洋国家という特徴から諸外国との接触も多い漁業民族のブルネイ王国、そしてフィリピン南部ミンダナオ島の西のスルー諸島のホロ島を本拠として成立したスルー王国が、サバ州を東西に二分して、それぞれの地域の統治権を主張することはあった。しかし、それは沿岸の漁業民族との交易の便宜を図るために睨みを利かすことが主な目的であって、内陸部まで実際に統治権が及ぶことはなく、内陸部の諸民族は、それぞれの首長を戴き、ほぼ自給自足の平和な生活を営む状態が、何千年も続いていた。

著者:三好良一


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更新:2015年09月26日|公開:2009年09月23日|カテゴリ:歴史

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