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豚肉が食べられない?イスラム教の食物禁忌

イスラム教には、日本人には奇習としか見えない変わった生活習慣が幾つかあります。食物禁忌の代表が豚肉が食べられないことです。

食物禁忌について

豚肉を禁止している

イスラム教が豚肉を食することを禁じていることは、よく知られている。この風習が何故生まれたのかについては、豚には寄生虫が多いから病気に感染する危険性が高いことがよく言われている。実際、筆者は何かの映像で豚の解剖シーンを見たことがあるが、腸を切った瞬間、白くて細長い回虫が腸内一杯にうごめいている様子に唖然としたことがある。でも、どうもあまり説得力がない。


豚に悪霊が取り憑く?

新約聖書マタイ伝に、イエスがガリラヤのある村に来たところ、悪霊に取り憑かれている男がいたので、イエスが悪霊に対して、その男から去るように命じたところ、悪霊が豚に乗り移り、その豚が一目散に駆け出して崖から飛び降りて死んだという話があるのを根拠に、豚には悪霊が憑いていると信じられたという説もある。だが、アル・クルアーンを最も神聖とするイスラム教徒が、新約聖書のエピソードから、食物禁忌に発展するような教訓を汲んだとは思えない。


豚は人間の排泄物を食べる

マレーシアのあるムスリム女性は、豚は人間の排泄物、つまりウンコを食うから穢れているのだと主張したものだが、これはちょっと幼稚過ぎる見方であり、これがもしマレーシアのムスリムの共通見解だとしたら、その底の浅さは絶望的だとしか言いようがない。彼らが、イスラム教を表面的にしか信仰していないことが明白になる。


豚は人間の食べ物が同じ

筆者が辿りついた最も合理的で説得力ある説明は、渡部昇一のある本から得られた。渡部昇一は、米国であるユダヤ人から聞いたそうだが、イスラム教を興したアラブ人と同じセム族に属し、同じく豚を忌避するユダヤ人の説明は簡潔かつ明快だった。つまり、イスラム教が発祥した砂漠地帯では得られる食べ物が限られており、人間は山羊、羊、駱駝など、人間と食べ物が競合しない家畜を飼わざるを得ず、人間と同じ雑食性で食べ物が競合する豚を飼うと、両者とも飢え死にしてしまうという自然条件にその原因があるのだ。

当初は豚を飼うと生きていかれないから忌避していたのが、時代を経るにつれて、いつの間にか豚は穢れているという感じ方になっていったのだ。実際、酒類の禁忌を破って酒を飲むムスリムも、豚肉だけは気持ち悪がって食べようとはしない。


ヒンドゥー教徒にとって牛は神聖

ヒンドゥー教徒は牛肉を忌避するが、それはイスラム教の豚肉禁忌とは違って、牛が神聖な動物である故に食わない。牛は、インド人の先祖のアーリア人が紀元前1500年前にインドに進出した頃から、その聖典「リグ・ヴェーダ」に、人間の生活に多大の貢献をする牛を讃える賛歌を多数載せるなど、昔から神聖視していた。それで、今も牛は食べないのだ。


著者:三好良一


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更新:2015年09月28日|公開:2009年11月02日|カテゴリ:宗教

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